yoccatta TOKYO のエシカルトライ日記

廃棄エアバッグのアップサイクルブランド『ヨカッタ トーキョー』のエシカルな日常を綴ります

未来の責任世代と

先日、大学と弊社との産学協同企画が

無事終了いたしました。

 

 

“ yoccattaのトートバッグに載せる

 SDGsメッセージを考える ” という企画で、

 

ファッション業界が抱えている

さまざまな問題を認識した上で、

各自、響かせたいターゲットを想定し、

コピーを考えていただきました。

 

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優秀作品は、実際に製品化が予定されており、

最終審査に残った人・チームには、

審査員の前でプレゼンするという

発表会のステージが用意されました。

(学校や関係各社のご協力あってこそです)

 

 

1ヶ月ほど前の中間発表の時点では、

自分ゴトとして向き合いきれていなかった学生たちが、

伊藤からの直球の問いかけ( 問い詰め?)に反応して

各自の内面が撹拌され、

学校側も驚くほどの変容がおきたようでした。

 

 

そして、このイベントを終えて

私自身の感想は

当初の予測とは全く異なるものとなりました。

 

学び、成長する学生を “見守る” という立場ではなく、

共に “課題を解決していく者” として

課題はいつの間にか、自分にも向けられていました。

 

 

学生たちの等身大の言葉を浴びながら、

「 ・・・で、問題をつくってきたあなたは、これから何をするの?」

と突きつけられるようでした。

 

 

資本主義を邁進してきた大人たちが

持続可能な開発スタイルへとアップデートするより、

 

未来を生きる世代が目覚める力を信じて

大人は支える側にまわる方が

よき変化が速く訪れるだろうと

 

そう感じたのは … 私だけではなかったかもしれません。

 

 

大人たちは、上から目線と、知ったかぶりを止めて、

未来に責任を感じている世代の声に

本気で耳を傾け

真摯な姿勢で共創する時代が来ている、、、

 

そう確信できた

貴重な体験となりました。

 

 

 

ご参加いただいた方々、ご協力いただきました皆様、

本当にありがとうございました。

感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

 

 

エシカル実践の道のり

昨年末、久しぶりに対面で参加させていただいたのが、

エシカル協会 代表 末吉 里花さんの新著

エシカル革命〜新しい幸せのものさしをたずさえて〜」

の出版記念イベント。

末吉 里花さんと エシカル協会 理事の羽生田 慶介さんとの対談でした。

 

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エシカル革命 | 山川出版社

 

エシカル協会における一年間の成果のひとつとして、

「輩出したエシカルコンシェルジュの人数が2,000人を超えた」

という嬉しい報告がありました

 

が、、、

 

仲間が増えたことの喜びだけではない、

エシカルな道へと踏み出したゆえの悩み” だったり

 

夢を語るだけではない、

“実践者として、次なる進化へと歩みを進めていかなければならない” という

 

仲間に出会い、夢を語り合った以前とは明確に違うフェーズ!

 

… たくさんの共感と共に、

皆がそんなタイミングに居ることを

共有できた時間でもありました。

 

 

 

2021年という年が、

まだまだ明確な手応えだったり、

希望が見えた一年ではなかったというのも、

本当にそうで…

 

希望を見失ってはならないけれど、

 

現実的な課題に各自が向き合って、

重い扉を次々と開き、行動していかなければならないのが

2022年なんだと、私も覚悟しました。

 

 

 

正解のない、未来への選択を迷う時、

いつも立ち返ることができる

エシカルという包括的な言葉 、、、

 

いきょうを

っかり

んがえ

 

この、ものさしを改めて胸に刻んで、

今年も歩んでいきたいと思います。

 

 

 

 

 

エシカル革命〜新しい幸せのものさしをたずさえて〜」出版記念イベント動画

https://www.youtube.com/watch?v=57OKHGO-tJ0

 

 

末吉 里花 著

エシカル革命〜新しい幸せのものさしをたずさえて〜」

山川出版社

www.yamakawa.co.jp

循環型社会と野生動物 

都会に住んでいる人間には、今いちピンと来ないけれども、

ニュースではよく耳にする野生動物のトラブル。  

 

私自身、日本国内での動物たちの飼育環境について、特に知ろうとしたこともありませんでしたし、ましてや野生動物の問題の本質など、さっぱり理解できていませんでした。

エシカルコンシェルジュの授業でも、最もザワつくのが、“動物問題”で … いかに知ろうとしてこなかったか、私を含め、思い知らされた人が多いと思います。  

 

かつて日本には里山文化があり、人間も自然界の一部として共生していたのですが、ペットへの意識は加熱する一方なのに、その他の動物への意識はどんどん離れていってしまったのが現実かと思います。

 

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ヨカッタは、『EZOPRODUCT inc.(エゾプロダクト)』代表の菊地氏との出会いによって、北海道の自然の中で暮らすエゾシカの現状を知ることとなりました。

 

北海道のニホンジカは、年間60万頭あまりが個体数管理計画のもと頭数管理されており、趣味主体の狩猟と頭数を減らす為の駆除 (間引き)が行われていますが、 猟後、 肉食処理されているのは僅かで、多くが焼却されているのだそうです。

 

天敵のエゾオオカミがいなくなったこと、それに加えて、地球温暖化で越冬できるようになったことから、個体数が増えてしまい、森を荒らす原因とされています。また都市開発により、人里と森が近くなってしまって、街の中に迷い込むエゾシカが増えた事も問題になっています。

 

廃棄エアバッグがリサイクルされず焼却されているのも問題ですが、人間生活を維持するために、やむを得ず狩猟されたエゾシカの命がムダにされていることを、放置したくないと感じました。

 

地球は人間生活のためだけにあるのではなく、人間らしい暮らし方があるように、それぞれの動物にも生態があり、一方的な視点で捉えることはできません。今後、テクノロジーの進歩にも期待したいですし、まずは、互いに自然界の構成員として存在できるよう、叡智をやしなっていきたいと思います。

 

 

EZOPRODUCT inc.

 

 

『エゾプロダクト』とのコラボレーションモデル

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“ イノチ ヲ ツナグ ”  

行政・市町村と協力し、循環型社会における野生動物との共生を目指し、エゾシカ皮革の利活用をすすめてる『エゾプロダクト』とのコラボレーションモデル。  

シカ革は、厚みがあるのに軽く、やわらかくてしっとりした質感です。

 

[ホワイトxブラック][ブラックxブラック]の2色展開

https://yoccatta.com/?pid=163536734

https://yoccatta.com/?pid=163524722

 

アップサイクルの進化系

初回記事『命を守る、陰のヒーロー』にも書かせていただいた、

私たちが “ 命のステッチ(ライフステッチ) ” と呼んでいるエアバッグの丸いステッチ。

 

何事もなければ、目にすることもないこのステッチですが、 「楽しく魅力的なデザインとして、もっと活かしたい!」 と、スタッフで策を練っていました。

 

廃材を再利用するだけではなく、

デザインやアートの力で、更にアップグレードする  

“進化系アップサイクル”  です。  

 

さまざまな意見交換を経て、

新企画『ライフステッチ x ハンドプリント』 が立ち上がりました。  

 

丸いステッチが入ったBAGに、オリジナルのハンドプリントを施す

そのトライアル 第一弾が、こちらです。

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いよいよ、スクリーンプリントの型が出来上がってきて、テンションUP!

 

yoccattaならではのオリジナルプリント柄は、

廃棄エアバッグがBAGへと再生されるストーリーが図案化され、

地上資源が循環するかのように、地球の周りをクルクル回っています。  

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普通に考えれば、プリントするのに適した条件とは言えません。

丸いステッチの位置はさまざま、生地が二重になっている上に、凸凹もあります。  

 

でも、それによる、かすれや滲みは想定内!

むしろ、そのラフさが魅力になるように、

ひとつひとつ、位置やカラーを選び、

力加減を調整しながらのプリント作業です。  

 

アップサイクルBAGに、更なる個性を。

 

自分だけのBAGを持ちたいという方にも、

喜んでいただけると思います。

 

 

皆様にお披露目できるのも、もうすぐ。  

今回はトライアルということで、希少な限定販売となりますが、

今後に向け、第2弾、第3弾も計画中です。

どうぞお楽しみに。

 

 

 

✻ 製品に施すこのハンドプリントは、位置やカラーも様々で、かすれや滲みなど、敢えてラフな仕上がりにしています。ひとつひとつ異なる、オンリーワンの表情を楽しんでいただけたら嬉しいです。

エシカルにも必要なお金の学び 

個人的なことになりますが、

私がエシカルコンシェルジュの学びの中で

印象に残っているカリキュラムのひとつが、

ゲーム形式の “投資シミュレーション” でした。

 

いくつかの企業の業務概要や課題などが記載されているカード(社名記載はなし)が用意され、

「自分が投資家になったと仮定して投資先を選択し、自分の決定理由を述べる」… というような内容だったと記憶しています。

 

エシカルに関する学びが、お金の使い方や銀行選びにまで及ぶとは思っていなかったので、とても新鮮に感じたのをよく覚えています。

 

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お金や経営などの経済活動は、生きていく上でとても大事なことなのに、

大人はお金に対して正面から話題にすることをはばかる傾向があり、学校で教えることを嫌がる人が多くて、

日本では実施されてこなかったのが現実のようです。

 

ただ一方、最近は、

高校生の起業家さんの話題も耳にするようになり、

頼もしくも感じています。

 

日本でも、お金についての意識や偏差値を上げていく必要があると思います。

奨学金という大きな負担を背負って社会の荒波に向かう大学生たちにも、せめて、お金の貸し借りについてのレクチャーが必要だと思います。

 

 

人生100年の時代。

 

私を含め、まずは、わかったつもりになっている大人たちが、

改めてこれからの時代において、

お金と、どう向き合っていったら良いのかを

アップデートしたいと思います。  

 

お金についての本は沢山ありますので、

ピンとくるものを読んでみると良いと思います。

 

 

ちなみに、私のオススメは、

新井和宏さんの著書『あたらしいお金の教科書』。  

 

私の胸にグッときたのは、

はじめに ー知ったかぶりの大人たちー の最後に書かれた

“「お金のために働く」から「自分を生きるために働く」”

という言葉でした。

 

中学生でも親しめるような内容にまとめられているので、

大人が読み終わったら、若い人に手渡してあげたい本です。

 

 

 

 

新井和宏 著

『あたらしいお金の教科書』

山川出版社

 

 

NO!バージン素材 

46億年前にうまれた地球。

海ができたのが、38億年前。

人類が誕生したのは、ほんの(⁈)20万年前だそうです。

 

地球はダイナミックな変化を繰り返し、

地表の微妙なバランスが整った瞬間、

その奇跡の中で、

私たち人間が存在できています。

 

 

かつて地表に存在していた

太古の植物や動物が地下に埋まり、

何億年という気の遠くなるような年月をかけて

微生物や圧力、地下の熱によって

変化して出来上がったのが、化石燃料

 

人間は、その恩恵を受けてきました。贅沢に。

 

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地球上の大気の構成をご存知でしょうか。

 

NO.1  窒素…78%

NO.2  酸素…21% 

 

これだけで、既に99%。

そう、大気はほとんどこの2つで出来ているんですね。

 

 

そして、問題とされている

二酸化炭素(CO2)は … 0.03〜0.04%。

 

えっ、少ないっ!と思いませんか。

 

 

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地球がうまれた時、酸素は存在せず、

最も多かった二酸化炭素は、石灰岩となって海底へ沈みました。

光合成を行う生物の増加などにより、

酸素はどんどん増え、オゾン層ができました。

地表に存在した生物は、やがて地下に埋まりました。

 

「地上」も、「地下」も、大きく変動しながら、

気の遠くなるような年月を経て、現在のようになったのです。

本当に、本当に、奇跡です。

 

 

 

しかし、産業革命によって・・・

 

地下に埋まっていた石油(液体)や石炭(固体)を

せっせと地上に出すことになりました。

 

燃料や石油由来のモノを地上で燃やせば、

気体(CO2)となって

地上の大気の構成に変化をもたらしてしまいます。

 

固定されていた炭素が大気中に放出されることで、

人間が生きていけないバランスに戻ってしまうのです。

 

 

気候変動などの問題は、複雑で難しいことはわかりませんが、

これは、私でもわかります。

 

 

これ以上、

地上と地下の関係を乱さないために、

既に地上にあるものだけで循環できるよう

シフトしましょう。

 

悪いのは、炭素やCO2じゃない!

見つめ直したいのは、

私たちの “使い捨ての営み” です。

 

 

 

今年の新作、

シングルハンドルトートのプリント

『 NO Virgin MATERIAL 』

… yoccattaの想いを込めたメッセージです。

 

 

経済活動や私たちの暮らしが

地上資源だけでくるくる回っていく。

 

そんな営みがあたり前になりますように。

 

 

 

 

↓シングルハンドルトートは、こちらからお求めいただけます。

https://yoccatta.com/?mode=cate&cbid=2732868&csid=0

 

モノサシを変え、しくみを変える  

開催中のイベント「ヘラルボニー ⁄ ゼロからはじまる」へ伺いました。  

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日本全国の福祉施設でアート活動をされている作家さんとライセンス契約を結んで、さまざまなプロダクトとして展開している、大注目の企業『株式会社ヘラルボニー』。   

 

 福祉 ✕ クリエイティブ  

 

いわゆる知的障害と言われるアーティストさんならではの豊かな感性や個性の可能性を社会に送り届けるしくみを創り、 福祉を起点に新たな文化を創出しています。

 

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↑左の写真は、昨年2月に ヘラルボニーとして発表した意見広告「#障害者という言葉」。

 

この国の

いちばんの障害は

「障害者」という言葉だ。

 

シュレッダーにかかったバンクシーの有名な作品をオマージュして作成されたもので、 欠落を示唆させる呼び方…「障害者」というワードに対しての疑問を投げかけています。

 

 

海外では、“Special Needs”という言葉もあるようで、

個人がかかえた問題ではなく、

社会の対応の問題という捉え方だったりする国もあるようです。

 

 

在るものに、価値を見出す。

 

 

知らない間に、私たちの心の奥に染み付いた価値観。

生産性の低いもの、ないものに対する偏見。

 

私たちは、

全員が何らかの障害を抱えているし、

誰にもない才能や感性を必ず有しています。

 

社会生活において、いつの間にか

人と違うこと、平均的でないこと、

生産性の低いもの、ないものに対する偏見は強化され、

自分自身の価値も貶めてしまうのかもしれません。

 

 

 

yoccattaの手作業を支えて下さっている福祉工場へ伺った際も、

知的障がい者の方々が作業しやすくなるような

道具を施設内でデザインするなど、

“Special Needs”に応えるユニークな取り組みがされていることに、感銘を受けました。

 

 

私たちひとりひとりが、

モノサシを変え、しくみを変えていくことが、

誰もが輝ける社会になっていく原動力になっていくと信じています。

 

 

 

 

 

『ヘラルボニー ⁄ ゼロからはじまる』

2021年 10月 15日(金) 〜 2022年 1月 23日(日)

京橋 BAG-Brillia Art Gallery- にて開催