yoccatta TOKYO のエシカルトライ日記

廃棄エアバッグのアップサイクルブランド『ヨカッタ トーキョー』のエシカルな日常を綴ります

わたしがつくる電気 

先日、電力需給ひっ迫警報が出たこともあり、日本の電力事情に不安を感じた方も多いと思います。

この警報が出た直接的な原因は、福島県沖の地震発生と気温低下でしたが、現在の日本の状況は、2050年の脱炭素に向けて、エネルギー政策の移行中なのです。その上、蓄電技術もまだまだ開発途上 … ということから、エネルギー自給率の低い日本においては、今後も脆弱な状況は続くと覚悟しておいた方が良さそうです。

まずは、節電ですね!

(日本のエネルギー自給率:12.1% / 2019年度数値)  

 

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さて今回は、“エシカルな電力” について、書いてみたいと思います。

 

 先日、千葉県匝瑳市にある「THE 土と太陽の発電所」のバーチャルツアーに参加し、その後、実際に草刈りにも伺いました。こちらは、発電事業者である市民エネルギーちばと、エシカル協会・ハチドリ電気・農業法人Three Little Birdsの3社が運営するソーラーシェアリング発電所です。

 

改めて『ソーラーシェアリング』とは・・・

田んぼや畑などの農地に支柱を立て、上部で太陽光発電を行う、“農業” と “発電事業” を両立させるしくみで、次世代農業としても期待されています。  

日本発信の技術だということも初めて知りました。発案者は長島 彬氏で、2004年に特許を取得後、誰もが無償で利用できるよう公開。今や日本各地 2,000ヶ所以上で設置されているそうです。

 

農業×発電によって収益性を高める以外にも、いろいろなメリットがあります。  

◎ 環境に負荷をかけず、農地をいかす発電 (山を崩して設置する発電方法との違い)   

耕作放棄地問題の解決につながる   

太陽光パネルの設置は作物の生育に支障がない設計(パネルは細幅で間隔を保ち、高さも確保。大型農業機械も利用可)  

◎ 災害時には地域の人に電力をシェアできる  

 

そして、“エシカルな電力” のもうひとつの柱は、有機農業。 特に、農地を耕さない不耕起栽培を採用すれば、土壌の中に炭素がより多く固定され(CO2の削減)、温暖化防止に役立ちます。

実際、草刈りに行って感動したのは、ふっかふかの地面。これは地面の下の環境がとてもよい証拠かと。ソーラーパネルの圧迫感は全くないし、懐かしい土と草の香りの中、長靴でふかふか絨毯の上を歩いているようで、しあわせな気持ちになりました。  

 

ちなみに、市民エネルギーちばでは、パタゴニア社ともコラボ。「THE 土と太陽の発電所」のお向かいにパタゴニア社の設備があって、こちらで発電された電力は、パタゴニア渋谷ストアで使用されているそうです。  

 

市民エネルギーちば(株)代表の東 光弘さんいわく、マンションのベランダで野菜を育てるように、ソーラーパネル1枚からでんきはつくれる。〈プチトマト×ソーラーパネル〉なんていうのもアリだそうです。野菜も、でんきも、じぶんでつくる。 「習うより慣れろ!」だそうで、でんきが急に身近に感じられた気がしました。でんきのこと、有機農業のこと、もっと調べてみたいと思います。

 

 

ー MEMO ー

『ソーラーシェアリング』には課題もあり、パネル素材はリサイクルしやすい設計へと移行しつつある段階だそうです。また、国産パネルの開発が遅れており、現在は中国産パネルに頼っている状況。メイド イン ジャパンのパネル開発に期待したいです。